ニュース速報

ビジネス

ユーロ圏、金利上昇で住宅価格急落の可能性=ECB金融安定報告

2023年05月31日(水)19時03分

 5月31日、ECBは、ユーロ圏の住宅価格について、住宅ローン金利上昇で家計には手が届かず、投資家にとっても魅力がないため、「無秩序な」下落に向かう可能性があると警鐘を鳴らした。写真はフランクフルトのECB本部。3月撮影(2023年 ロイター/Heiko Becker)

[フランクフルト 31日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は31日、ユーロ圏の住宅価格について、住宅ローン金利上昇で家計には手が届かず、投資家にとっても魅力がないため、「無秩序な」下落に向かう可能性があると警鐘を鳴らした。

金融安定報告でリスクの一つとして指摘した。

ECBは昨年7月以降、インフレ抑制のため過去最低水準から利上げを実施。利上げは今後数カ月続くと予想されている。

ただ、急速な利上げは10年間の金融緩和で活況を呈してきた不動産市場に影響を及ぼし始めたに過ぎないと強調。

「今後新規の住宅ローン金利が上昇し、特に変動金利型住宅ローンが主流となっている国では、購入がさらに難しくなり既存ローンの金利負担が増加するため、価格の下落が無秩序になる恐れがある」と警告した。

具体的な国名は挙げていないが、ECBのデータによると、ポルトガル、スペイン、バルト諸国は変動金利の住宅ローンの割合が最も高い国とされている。

また、機関投資家が住宅用不動産市場で大きなポジションをとっている地域は、資本が引き揚げられた場合に大きな打撃を受ける可能性があると指摘した。

ベルリン、ドイツ西部の一部、パリ、マドリード、リスボン、ダブリンなどがこれに該当する。

*カテゴリーを追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、高市首相の台湾発言撤回要求 国連総長に書簡

ワールド

MAGA派グリーン議員、来年1月の辞職表明 トラン

ワールド

アングル:動き出したECB次期執行部人事、多様性欠

ビジネス

米国株式市場=ダウ493ドル高、12月利下げ観測で
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 2
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 5
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 6
    「裸同然」と批判も...レギンス注意でジム退館処分、…
  • 7
    Spotifyからも削除...「今年の一曲」と大絶賛の楽曲…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    中国の新空母「福建」の力は如何ほどか? 空母3隻体…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中