ニュース速報

ビジネス

中国人民銀、元安抑制へ外為フォワード取引の準備金再導入

2022年09月26日(月)12時47分

中国人民銀行(中央銀行)は26日、人民元の下落ペースを減速させるため、一部の外国為替フォワード取引について準備金制度を再導入すると発表した。写真は、人民元やドルなど主要通貨の紙幣。2015年8月13日に香港で撮影。(2022年 ロイター/Tyrone Siu)

[上海 26日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は26日、人民元の下落ペースを減速させるため、一部の外国為替フォワード取引について準備金制度を再導入すると発表した。

金融機関が外為市場でフォワード取引を行う際の準備金比率を28日に現行のゼロから20%に引き上げる。人民銀は「外為市場の期待を安定させ、マクロプルーデンス管理を強化する」と説明した。

人民銀は元が大幅に上昇した2020年10月に準備金要件を撤廃していた。

市場関係者やアナリストによると、準備金再導入により人民元の売り持ちコストは事実上引き上げられる。外資系銀行のあるトレーダーは「効果は口頭指導や基準値を通じたシグナルより強力かもしれない」と述べた。

ドルの全面高や中国経済の低迷、成長下支えに向けた当局の金融緩和策を背景に、人民元は8月中旬以降に対ドルで4%超下落。心理的節目となる7元台を付け、年間の下落率は1994年以降最大となる勢いで売られている。

一方、人民銀行のこの日の発表に元相場は反応薄。国内相場で人民元はドルに対して7.1485元、前営業日終値は7.1298元。オフショア市場では一時7.13元を付けた。0155GMT(日本時間午前10時55分)時点で7.1522元となっている。

みずほ銀行のアジア外為担当チーフストラテジスト、ケン・チュン氏は今回の措置について、「人民元の急速な下落を食い止め、市場を安定させたいという人民銀の意向を示している」とした上で、「また、人民銀が必要な時にはいつでも介入することを示している」と述べた。

ただ、米利上げでドル金利が上昇していることを考えると、元安トレンドを反転させる可能性は低いと指摘した。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米政権文書、アリババが中国軍に技術協力と指摘=FT

ビジネス

エヌビディア決算にハイテク株の手掛かり求める展開に

ビジネス

トランプ氏、8月下旬から少なくとも8200万ドルの

ビジネス

クーグラー元FRB理事、辞任前に倫理規定に抵触する
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 2
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃度を増やす「6つのルール」とは?
  • 3
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生まれた「全く異なる」2つの投資機会とは?
  • 4
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 5
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 6
    「不衛生すぎる」...「ありえない服装」でスタバ休憩…
  • 7
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 8
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 9
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 10
    「腫れ上がっている」「静脈が浮き...」 プーチンの…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中