ニュース速報

ビジネス

米CPI5月、前年比8.6%上昇 ガソリン高で40年半ぶり高い伸び

2022年06月11日(土)03時45分

6月10日、米労働省が発表した5月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前年同月比8.6%上昇した。4月は8.3%上昇だった。米連邦準備理事会(FRB)は高インフレ対策として9月まで50ベーシスポイント(bp)の利上げを継続する可能性がある。写真は2022年5月、米カリフォルニア州のスーパーマーケットで撮影(2022年 ロイター/Lucy Nicholson)

[ワシントン 10日 ロイター] - 米労働省が10日に発表した5月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前月比1.0%上昇した。市場予想は0.7%上昇だった。4月は0.3%上昇していた。

前年同月比では8.6%上昇。1981年12月以来、40年5カ月ぶりの大幅な上昇率を記録した。4月は8.3%上昇だった。市場では4月がピークになると予想していた。

ガソリン価格が過去最高となり、サービス価格も上昇したのが5月のCPI上昇率加速につながった。米連邦準備理事会(FRB)は、高インフレ対策として9月まで50ベーシスポイント(bp)の利上げを継続する可能性がある。

米国自動車協会(AAA)によると、5月のガソリン価格は1ガロン当たり平均4.37ドル。10日には1ガロン当たり5ドルに迫っており、6月のCPIも高止まりが予想される。

家賃、ホテル宿泊、航空券などのサービス価格も高水準だった。モノからサービスへの支出のシフトがインフレを抑えるとの期待感もあった。だが、労働市場の逼迫で賃金が上昇し、サービス価格も上昇した。

食品価格は1.2%上昇した。乳製品および関連製品の価格は2.9%上昇し、07年7月以来最大の上昇幅となった。ロシアのウクライナ侵攻や中国の新型コロナウイルス対策によるサプライチェーン寸断が影響したとみられる。

変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数は前月比0.6%上昇となり、伸び率は4月と同じだった。コア指数の押し上げに寄与したのは家賃だった。

コア指数は前年同月比で6.0%上昇。4月は6.2%上昇していた。インフレ率は全ての指標でFRB目標の前年比2%をはるかに上回っている。

航空運賃は4月の18.6%の大幅上昇に続き、5月も12.6%上昇した。中古車・トラック価格は3カ月連続下落していたが、5月は1.8%上昇に転じた。新車価格は1.0%上昇、医療費は0.4%上昇となった。

BMOキャピタル・マーケッツ(トロント)のシニアエコノミスト、サル・グアティエリ氏は「金融引き締めに反応してエネルギーと食品の価格が落ち着き、過剰需要圧力が弱まるまで、40年ぶり高インフレから解放されることはまずないだろう。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での政策金利引き上げ幅は依然として50bpにとどまるとみられるが、インフレが高水準で推移すればそれ以上のペースで引き上げる事態にも容易になり得る」と述べた。

ロヨラ・メリーマウント大学のサン・ウォン・ソン金融・経済学教授は「FRBはインフレ対策で大幅に後手に回り、断固として対応する必要があると今は認識している」とし、「今後数年間でスタグフレーションが発生する公算が大きく、景気後退(リセッション)に陥る可能性も高まっている」と語った。

ラザード・アセット・マネジメント(ニューヨーク)の米株責任者、ロン・テンプル氏は「労働市場が過去数十年で最も引き締まった状態にある中、雇用主は賃金を引き上げざるを得なくなっており、サービス価格の上昇につながっている」とし、FRBはこうした賃金と物価の連動を断ち切るという大きな難題に直面しているとの見方を示した。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

世界ハイテク15社が「信頼できる技術連盟」、マイク

ワールド

イスラエル、ヨルダン川西岸で入植者の土地登記を承認

ワールド

米の貿易改革要求に賛同、「シグナル受け止める」=W

ビジネス

英企業、正社員の採用削減を計画 労働法改革でコスト
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」でソフトウェア株総崩れの中、投資マネーの新潮流は?
  • 2
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活動する動画に世界中のネット民から賞賛の声
  • 3
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワートレーニング」が失速する理由
  • 4
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
  • 5
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    それで街を歩いて大丈夫? 米モデル、「目のやり場に…
  • 8
    世界市場3.8兆円、日本アニメは転換点へ――成長を支え…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    フロリダのディズニーを敬遠する動きが拡大、なぜ? …
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 5
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
  • 6
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 7
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 8
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 9
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 10
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中