ニュース速報

ビジネス

ECB、ユーロ圏のステーブルコイン巡り拒否権求める

2021年02月24日(水)03時19分

[フランクフルト 23日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は欧州議会に対して、交流サイト最大手の米フェイスブックが主導する「ディエム」などのデジタル通貨「ステーブルコイン」を巡り、導入への拒否権と監督権の拡大を求めると主張した。

世界の中央銀行は、一つ以上の法定通貨を裏付けとしたステーブルコインを中心に、暗号資産(仮想通貨)の台頭を不安視している。決済や銀行の取引、最終的には資金の供給量への統制を脅かすことを懸念している。

欧州連合(EU)は昨年9月、ストレステストや資本・流動性の要件などを含む暗号資産に関する包括的な規制を作る計画を公表。フェイスブックに対し、導入の前に要件を満たすよう求めた。

ECBは、EUの規制案について2月19日付で法律上の見解を公表。物価や決済の安全性を脅かさずにユーロ圏でステーブルコインを導入できるかどうかについて、ECBが最終決定権を持つべきだと述べた。ステーブルコイン発行を審査する各国当局に対して、ECBの意見が拘束力を持つようにEUの規制案を変更すべきだとの意見も述べた。

ECBは、ステーブルコインの発行体が、大規模な顧客流出に耐えられるように十分な手元資金を備えるなどマネーマーケットファンドと同様の「厳しい流動性要件」を満たすべきだと述べた。

ECBは、EUの民間デジタル通貨規制の対象外となる自身のデジタル通貨に取り組んでおり、4年以内に導入したい意向だ。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、ベネズエラ麻薬積載拠点を攻撃と表明 初

ワールド

韓国電池材料L&F、テスラとの契約額大幅引き下げ 

ワールド

ビングループのEVタクシー部門が海外上場計画、企業

ワールド

中国軍が台湾周辺で実弾射撃訓練、封鎖想定 演習2日
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 5
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 6
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 7
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 8
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 7
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 10
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中