ニュース速報

ビジネス

英失業率、10ー12月は2016年以来の高水準 雇用対策を来週発表

2021年02月23日(火)18時49分

英国立統計局(ONS)が発表した2020年10ー12月の失業率は5.1%と2016年第1・四半期以来の高水準となった。シャッターの閉まったロンドン中心街で12日撮影。(2021年 ロイター/Toby Melville)

[ロンドン 23日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が発表した2020年10ー12月の失業率は5.1%と2016年第1・四半期以来の高水準となった。ロイターがまとめたエコノミストの予想中央値とは一致した。

企業の雇用関連データに基づく2021年1月の被雇用者数は前月比8万3000人増加。増加幅は2015年1月以降で最大となった。

失業率は、政府の雇用維持制度によって抑制されている。同制度は4月末に終了する予定。イングランド銀行(中央銀行)は、同制度の終了によって失業率は年央には8%近くに上昇すると予想している。

雇用維持制度について、スナク財務相は3月3日の予算演説で、少なくとも新型コロナウイルス感染拡大抑制のためのロックダウン(都市封鎖)措置で深刻な打撃を受けたセクターを対象に期間延長を発表する見通し。

スナク氏は23日の統計発表後「来週の予算演説では、パンデミックの収束および回復に向けた期間を支援する次の段階の雇用対策を発表する予定だ」と述べた。

ジョンソン首相は22日、ロックダウンの段階的な緩和計画を発表した。事業活動の規制は段階的に解除していき夏の全面解除を目指す。

プレミア・ミトンのファンドマネジャー、ジョン・ハドソン氏は、「景気の先行きが見通しやすくなり、財務省の支援継続で、英中銀の失業率のピーク予想(7.75%)は過度に悲観的だったということになるだろう」と述べた。

パンテオン・マクロエコノミクスのサミュエル・トゥーム氏は、失業率は夏に6%になるとの見方を示した。

ONSによると、20年11月─21年1月の求人数は前年比26%減少。約60%減少した昨夏ほどの落ち込みではないが、ここ数カ月、回復ペースは鈍っている。

20年10ー12月の賃金は前年比4.7%増で2008年以降で最大の伸び。ONSによると、接客を伴う業種など比較的給料の安い職業を中心に雇用が喪失していることが一因で、この要因を除外すると3%を下回る伸びとなる公算だ。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

FRB、利下げは慎重に進める必要 中立金利に接近=

ワールド

フィリピン成長率、第3四半期+4.0%で4年半ぶり

ビジネス

ECB担保評価、気候リスクでの格下げはまれ=ブログ

ワールド

ジャカルタのモスクで爆発、数十人負傷 容疑者は17
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2人の若者...最悪の勘違いと、残酷すぎた結末
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    「これは困るよ...」結婚式当日にフォトグラファーの…
  • 6
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 7
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 8
    NY市長に「社会主義」候補当選、マムダニ・ショック…
  • 9
    「なんだコイツ!」網戸の工事中に「まさかの巨大生…
  • 10
    なぜユダヤ系住民の約半数まで、マムダニ氏を支持し…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 5
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 8
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 9
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中