ニュース速報

ビジネス

対面型サービス消費、下押し圧力強い状態続く=日銀展望リポート

2021年01月21日(木)13時31分

日銀は21日に公表した「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)で、国内の景気について、新型コロナウイルス感染症の影響で引き続き厳しい状態だが「基調としては持ち直している」との判断を示した。2017年3月撮影(2021年 ロイター/Issei Kato)

[東京 21日 ロイター] - 日銀は21日に公表した「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)で、国内の景気について、新型コロナウイルス感染症の影響で引き続き厳しい状態だが「基調としては持ち直している」との判断を示した。感染症への警戒感が続く中、改善ペースは緩やかなものにとどまる見通し。足元で感染が再拡大していることを受け、今回新たに「対面型サービス消費を中心に下押し圧力の強い状態が続くとみられる」との見方を加えた。

前回10月の展望リポートでは国内景気について「持ち直している」としていたが、政府が緊急事態宣言を発令する中、「基調としては」と文言を加えて判断をわずかに弱めた。海外経済は一部で感染症の再拡大の影響がみられるものの、日本の輸出や生産は「増加を続けている」と指摘。企業収益や業況感は大幅に悪化した後、徐々に改善しているとした。

2020年度の実質国内総生産(GDP)の政策委員見通しの中央値は前年比マイナス5.6%で、前回のマイナス5.5%からわずかに引き下げられた。委員の見通しのレンジは、前回のマイナス5.6─マイナス5.3%からマイナス5.7─マイナス5.4%へシフトした。21年度の見通しについては、政府の経済対策効果などを見込み、前回のプラス3.6%からプラス3.9%に引き上げられた。

20年度の消費者物価指数(除く生鮮、コアCPI)の政策委員見通しはマイナス0.5%で、前回のマイナス0.6%から小幅に引き上げられた。21年度もプラス0.5%とし、前回のプラス0.4%からわずかに引き上げられた。今後、経済の改善に伴って物価への下押し圧力が次第に弱まると予想。原油安の影響も剥落していくとみている。

GOTOトラベル事業のCPIへの直接的な影響は、20年度がマイナス0.2%ポイント、21年度がプラス0.1%ポイントになると試算。携帯電話通信料金の引き下げや新プランの設定については今回の物価見通しには織り込んでいない。

先行きの見通しは新型コロナの帰趨や内外経済に与える影響の大きさによって変わり得るため「不透明感が極めて強い」と指摘。引き続き、リスクバランスは感染症の影響を中心に「下振れリスクの方が大きい」とした。

金融システムは全体として安定性を維持し、金融仲介機能は円滑に発揮されていると評価している。ただ、この先、感染症の影響が想定以上に大きくなった場合は、実体経済の悪化が金融システムの安定性に影響を及ぼし、それが実体経済へのさらなる下押しリスクがあるため、注意が必要とした。

*内容を追加しました。

(杉山健太郎 編集:内田慎一)

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

東京外為市場・午前=ドル155円挟み上下、日銀タカ

ビジネス

米エクソンとシェブロン、ベネズエラ事業に前向き 長

ビジネス

首相の為替発言、円安メリット強調したものでは全くな

ワールド

イタリア第4四半期成長率、予想上回る前期比0.3%
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 2
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」から生まれる
  • 3
    世界初、太陽光だけで走る完全自己充電バイク...イタリア建築家が生んだ次世代モビリティ「ソラリス」
  • 4
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 5
    中国がちらつかせる「琉球カード」の真意
  • 6
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 7
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    【銘柄】「大戸屋」「木曽路」も株価が上がる...外食…
  • 10
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 5
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 6
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 7
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 8
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 9
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 10
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中