ニュース速報

ビジネス

独IFO業況指数、2月は予想外の上昇 新型肺炎に懸念も

2020年02月25日(火)00時51分

 ドイツのIFO経済研究所が発表した2月の業況指数は96.1と、上方改定された1月の96.0から上昇した。ロイターのコンセンサス予想は95.3だった。写真は昨年11月、ハンブルクで撮影(2019年 ロイター/Fabian Bimmer)

[ベルリン 24日 ロイター] - ドイツのIFO経済研究所が発表した2月の業況指数は96.1と、上方改定された1月の96.0から上昇した。ロイターのコンセンサス予想は95.3だった。

IFOのクレメンス・フュースト所長は声明で「ドイツ経済は、新型コロナウイルスを巡る状況の影響を受けていないようだ」とし、第1・四半期の成長率予想(0.2%)を維持した。

ただIFOは、新型ウイルスが深刻な事態となった場合には経済成長が抑制されるとし、業況指数は起こり得る経済低迷を完全に織り込んでいないと指摘した。新型ウイルスによって中国では2500人近くが死亡し、景気が急減速している。感染は約29カ国・地域に広がっている。

独経済は、2019年第4・四半期に個人消費と政府支出が失速したことで国内総生産(GDP)が低迷し、景気後退懸念が再燃した。

IFOのエコノミスト、クラウス・ボールラーベ氏は、「コロナウイルスの感染拡大は独経済に危険を及ぼす可能性がある。現時点で影響を測るのは簡単ではない」と述べた。「深刻な事態となった場合、輸出国であるドイツは特に影響を受ける」と付け加えた。

ドイツは輸出が減る中で製造業が低迷している。自動車部門は、電気自動車(EV)化の推進における費用が重しとなっている。

IFO業況指数のうち、製造業の業況を示す指数は受注見通しの改善に伴い3カ月連続で伸びた。製造業が底入れしたとの期待が高まる内容だ。

キャピタル・エコノミクスのアンドリュー・カニンガム氏は「業況指数が2月に小幅に上昇したことは、新型ウイルスによる大打撃に備えている市場関係者にとって安心材料となるが、指数は依然として12月の水準を下回っているほか、第1・四半期GDPが伸びないことを示す水準だ」と言う。

今月発表された19年12月の鉱工業生産指数は景気後退した09年以降で最大の低下となり、製造業の低迷が際立つ内容だった。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

9月の米卸売在庫、0.5%増 GDPにプラス寄与か

ワールド

タイ首相、議会解散の方針表明 「国民に権力を返還」

ワールド

米印首脳が電話会談、関税導入後3回目 二国間関係な

ワールド

トルコ中銀が150bp利下げ、政策金利38% イン
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキャリアアップの道
  • 2
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれなかった「ビートルズ」のメンバーは?
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 5
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 6
    受け入れ難い和平案、迫られる軍備拡張──ウクライナ…
  • 7
    「何これ」「気持ち悪い」ソファの下で繁殖する「謎…
  • 8
    ピットブルが乳児を襲う現場を警官が目撃...犠牲にな…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    「安全装置は全て破壊されていた...」監視役を失った…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 10
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中