ニュース速報

ビジネス

前田道路、前田建設のTOBに反対 子会社化は「企業価値毀損」

2020年01月24日(金)19時05分

 1月24日、前田道路は、前田建設工業による株式公開買い付け(TOB)に反対意見を表明することを決議したと発表した。写真は東京証券取引所で2015年6月撮影(2020年 ロイター/Thomas Peter)

[東京 24日 ロイター] - 前田道路<1883.T>は24日、前田建設工業<1824.T>による株式公開買い付け(TOB)に反対意見を表明することを決議したと発表した。前田建設の子会社になることは「あらゆる面で当社の企業価値を毀損し、持続的成長を妨げる」と判断し、速やかに必要な措置を講じるという。

前田道路がTOBに反対する理由については、前田建設との事業シナジーが見込めないことや、収益力や資本市場での評価は前田道路が前田建設を上回っている点などを挙げた。

また、TOBに至った経緯の不明瞭さも指摘している。昨年12月の前田建設からの情報提供では、前田道路株式を保有するアクティビスト投資家と前田建設が面談した際、アクティビスト投資家によるTOBが行われる可能性を察知したため、アクティビスト排除のためにTOBを実施したい旨が書かれていたという。しかし、20日の届け出書にはこうした背景は書かれておらず「明らかに虚偽の説明」が行われているとした。

株主に対しては、TOBに応募しないように求めるとともに、すでに応募した株主には、契約を解除するように求めた。

前田建設は20日、過半数の株式を取得し、連結子会社化することを目的とし、前田道路に対して1株3950円でのTOBを発表。21日から開始している。

前田建設は、前田道路が反対の決議をしたことに対して「誠に遺憾」とし「公開買い付けの意義などを理解してもらえるよう、前田道路と協議の機会を設けさせてもらうことを考えており、公開買い付けに関して賛同頂けるよう努めてまいります」とのコメントを発表した。

前田建設の前田操治社長は20日、ロイターとのインタビューで、前田道路がTOBに反対の決議を行っても、TOBを実施すると述べている。

*内容を追加しました。

(清水律子)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

パキスタンとアフガン、即時停戦に合意

ワールド

台湾国民党、新主席に鄭麗文氏 防衛費増額に反対

ビジネス

テスラ・ネットフリックス決算やCPIに注目=今週の

ワールド

米財務長官、中国副首相とマレーシアで会談へ
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 3
    ニッポン停滞の証か...トヨタの賭ける「未来」が関心呼ばない訳
  • 4
    ギザギザした「不思議な形の耳」をした男性...「みん…
  • 5
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 6
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 7
    大学生が「第3の労働力」に...物価高でバイト率、過…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「リンゴの生産量」が多い国…
  • 9
    【インタビュー】参政党・神谷代表が「必ず起こる」…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 5
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 6
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 7
    メーガン妃の動画が「無神経」すぎる...ダイアナ妃を…
  • 8
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 9
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 10
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中