ニュース速報

ビジネス

ドル2週間ぶり安値から反発後に失速

2020年01月24日(金)16時06分

 1月24日、午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の109円半ば。写真は2013年2月撮影(2020年 ロイター/SHOHEI MIYANO)

[東京 24日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の109円半ば。前日の海外市場でつけた2週間ぶり安値からは反発したものの、新型肺炎の感染者の拡大や中国株の下落、米長期金利の低下などにより、反発は早々と失速した。

市場の注目は引き続き、新型肺炎の影響の広がり。BBCは英北部スコットランドで5人が新型コロナウイルス感染の疑いがあるとして検査が行われていると報じた。この5人は最近、発生源とされる中国湖北省武漢市を訪れていたという。

ドルは朝方の取引で実需の買いを背景に109.57円まで上昇したが、買い一巡後は上値追いに慎重な参加者がほとんどだった。

前日の海外市場でドルは2週間ぶりの安値109.26円まで下落。これに先立ってユーロ/円が120.62円まで下落し2週間ぶりの安値をつけている。

ユーロ/円の下落は、新型肺炎の感染者拡大に加え、欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁が理事会後に開いた会見でハト派的な発言をしたことが背景。

スイスのダボスで開かれた世界経済フォーラム年次総会で、トランプ大統領はドル高けん制などはしなかったものの、EUと通商を巡る合意が得られなければ米国はEUの自動車に高税率の関税を課すと表明した。

トランプ氏は「選挙のことしか眼中にない」(外国銀)とされる中、23日に公表されたロイター/イプソスの世論調査によると、民主党の候補指名争いではバイデン前副大統領が24%の支持率でトップに立っている。サンダース上院議員は20%、ウォーレン上院議員は12%。[nL4N29T039]

ドル安にもかかわらず、ユーロは1.10ドル半ばで小幅な値動きに終始し、ユーロは強さを発揮できなかった。

市場では「前日は英国のEU(欧州連合)離脱関連法案が成立したことでポンドに買い戻しが入り、ユーロ/ポンドが下落している。対ポンドでのユーロ安がユーロ/ドルの上値を抑えている」(FX会社)との見方が出ていた。

EU離脱の実現に向けた関連法案の成立によって、英国は1月31日2300GMT(日本時間2月1日午前8時)にEUを離脱することになる。焦点は、離脱後11カ月の移行期間の間に、英国がEUとの間で通商合意や様々な包括的合意をまとめることができるかに移る。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 109.53/55 1.1046/50 121.02/06

午前9時現在 109.55/57 1.1053/57 121.11/15

NY午後5時 109.48/50 1.1052/56 121.03/07

(為替マーケットチーム)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ドル34年ぶり157円台へ上昇、日銀の現状維持や米

ワールド

米中外相会談、ロシア支援に米懸念表明 マイナス要因

ビジネス

米PCE価格指数、3月前月比+0.3%・前年比+2

ワールド

ベトナム国会議長、「違反行為」で辞任 国家主席解任
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 6

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 7

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    「性的」批判を一蹴 ローリング・ストーンズMVで妖…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中