ニュース速報

米共和党議員、トランプ氏のシリア政策非難 トルコ制裁計画

2019年10月10日(木)15時49分

[ワシントン 9日 ロイター] - トルコによるシリア北東部での軍事作戦を受け、米共和党の一部議員は9日、トランプ大統領のシリア政策を厳しく非難した。リンゼー・グラム上院議員はトルコに対し「壊滅的」制裁を科すことを計画していると述べた。

トランプ大統領は今週、シリア北東部からの米軍撤収を表明。トルコは9日、シリア北東部に侵攻し、テロ組織と見なすクルド人勢力を攻撃した。[nL3N26U3O3]

グラム氏はトランプ大統領に近い存在だが、シリア北東部を巡る大統領の決定は繰り返し批判しており、民主党のクリス・バンホーレン上院議員とともに、トルコへの制裁の枠組みを明らかにした。

両議員の制裁案では、トルコのエルドアン大統領ら政府高官の資産が標的となるほか、トルコによるロシア製S400ミサイル防衛システム購入に制裁を科し、ビザ発給を制限する。トルコとの軍事関連取引なども制裁対象となる。

グラム議員は声明で「トルコのシリア攻撃に対する厳しい制裁でバンホーレン議員と超党派合意に達したことをうれしく思う」とした上で、「米政権はトルコに対して行動することを拒んでいるが、(制裁には)超党派の強い支持が集まるだろう」との見方を示した。

下院共和党からも批判の声が上がり、リズ・チェイニー議員は、トランプ氏の決定による「壊滅的な打撃を抑えるため議会は行動しなければならない」と訴えた。

一方、トランプ大統領は身内の共和党議員からの批判に反論した。

ホワイトハウスで記者団の質問に対し、トルコがクルド人勢力を人道的に扱わなければトルコへの制裁を検討する用意があると述べた。

トルコの攻撃による混乱で、クルド人勢力が拘束してきた過激派組織「イスラム国(IS)」戦闘員が逃走するのではないかとの懸念については、これらのIS戦闘員の多くは欧州から流入したため逃走先は欧州になるとし、重要視しない姿勢を示唆した。

※カテゴリーを追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

英、障害者向け自動車リース支援制度改革へ 補助金を

ビジネス

米経済下振れリスク後退は利上げ再開を意味、政策調整

ワールド

イスラエル、ヨルダン川西岸で新たな軍事作戦 過激派

ビジネス

S&P、ステーブルコインのテザーを格下げ 情報開示
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 5
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 6
    がん患者の歯のX線画像に映った「真っ黒な空洞」...…
  • 7
    ミッキーマウスの著作権は切れている...それでも企業…
  • 8
    あなたは何歳?...医師が警告する「感情の老化」、簡…
  • 9
    ウクライナ降伏にも等しい「28項目の和平案」の裏に…
  • 10
    【クイズ】世界で1番「がん」になる人の割合が高い国…
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 9
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 10
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中