私は『アステイオン』 98号の「納得の文系に説得の理系」で、文系の研究スタイルについてフィールドワークを見たときに一気に近しいものを感じたと書いた。それはフィールドワークが実験やシミュレーションと同じように「現在を知るため」の研究手法だからかもしれない。
もし、普段はこのようなほとんど交わることのない、文系と理系が交差し、溶け合ったときにどんな効果が生まれるのだろうか。
おそらく、私が文系のプレゼンテーション手法を聞いて驚き、そして次第に納得していったように、他者への理解、他分野研究への理解や興味が生まれ、今まで誰も思いつかなかったような素晴らしい研究成果がもっと生み出される世界になるのだろうと。
※第6回 素朴な疑問...理系は「研究の喜び」を分かち合えるが、文系研究者はどのように処理している? に続く。
安藤妙子(Taeko Ando)
名古屋大学工学部航空学科卒業。同大学院工学研究科マイクロシステム工学専攻博士前期課程、博士 後期課程修了。博士(工学)。日本学術振興会特別研究員、名古屋大学大学院工学研究科講師、立命館 大 学 理 工 学 部 准 教 授 な ど を 経 て、2021年 よ り 現 職。 マ イ ク ロ マ シ ン やMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を開発する上で必要な、材料評価や製作方法の開発などの基盤研究を行う。研究室HPはこちら。
特集「中華の深化、中華の拡散」──「中国の夢」の歴史的展望」
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