しかしバングラデシュのマタバリ石炭火力発電事業とインドネシアのインドラマユ石炭火力発電事業への支援は「新規」ではないとして公的支援を取りやめていない。「エネルギー・デー」の脱石炭のイニシアチブにも日本は加わっていないとみられている。環境団体、気候ネットワークの国際ディレクター、平田仁子理事はこう指摘する。

「日本はいまだに石炭にしがみついている。日本政府はアンモニアや水素を石炭火力と混焼する技術を支援しているが、これは今ある石炭火力発電所の延命措置に他ならない。岸田文雄首相はCOP26で石炭と化石燃料をやめることにコミットしなければ気候変動対策はリードできないと認識すべきだ」

「No Coal Japan」によると、日本は50年ネットゼロを宣言したにもかかわらず、20年以降、新たに7基の石炭火力発電所が稼働を開始し、9基が建設・試運転中、1基が計画中だという。さらにパリ協定採択以降、日本政府は東南アジアを中心に海外で9つの石炭火力発電事業を支援し、これらの全容量は9835メガワットに達するという。

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インドネシア環境フォーラムのアブドゥル・ゴファル氏(筆者撮影)

インドネシア環境フォーラムのアブドゥル・ゴファル氏(27)は筆者に「インドラマユ石炭火力発電事業では超々臨界圧のテクノロジーを使えば排出量は減らせるという話だった。今度は岸田首相がアンモニアや水素を混焼させる方式を推進すると言い出した。インドネシア政府も私もこれがどう機能するのか知らない。分かるように教えてほしい」と語る。

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