規制緩和そのものを否定することの間違い

本来、ベンチャー企業というのは、大企業が取り組まないニッチな市場を狙うべきものであり、単純に規制だけを取り払って企業の負担を軽くすれば、体力のある大手企業が当該分野を総取りするだけの結果に終わる。規制が存在することで特定企業による独占もしくは寡占になっている市場に競争原理を取り戻すという、本来の規制緩和とは質的に異なると考えてよい。

安倍氏がこの仕組みを理解できず規制緩和を実施したのか、実は規制緩和に名を借りた特定企業の優遇策だったのか定かではないが、方向性として間違っていたのは事実である。もしそうであれば、間違った規制緩和で発生した健康被害問題を取り上げ、規制緩和そのものを否定するというロジックもまた成立しない。

本来、政府による規制緩和には、消費者の利便性向上と適切な競争促進という2つの意味がある。機能性表示食品はどちらにも該当しない可能性が高く、制度の見直しは必至だろう。

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