各社はTOBの実施について、成長戦略を強化するためと説明しているが、実態はこれからやって来る壮絶な奪い合い経済に備えるためである。

コンビニと商社は本来、商品を仕入れる側と卸す側という利害が相反する関係だが、縮小経済においては、両社が一体となってグループ全体の利益を守るほうが得策との判断が行われた可能性が高い。後ろ向きな理由ではあるが、今後、TOBに限らずM&A(合併・買収)などを通じて規模拡大を目指す動きは、国内市場に依存するあらゆる業界に波及してくるだろう。

近年、大和ハウスがフジタを買収したり、積水ハウスが鴻池組を連結子会社化するなど、ハウスメーカーによるゼネコン買収が相次いでいるが、これも同じ動きと考えてよい。

オリンピック特需が消滅した今、国内の建設需要は減る一方となる。ハウスメーカーとゼネコンは業態が異なるが、縮小市場においては規模を追求しないと生き残れない。10年後には今のゼネコンという業態が消滅している可能性すら考えられる状況だ。

<本誌2020年10月20日号掲載>

【関連記事】
・「消費減税」論者は注目すべし 菅首相の通話料値下げで分かること
・なぜ日本は「昭和」のままなのか 遅すぎた菅義偉首相の「デジタル化」大号令

ニューズウィーク日本版 台湾有事の新シナリオ
2026年4月21号(4月14日発売)は「台湾有事の新シナリオ」特集。

米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由

※バックナンバーが読み放題となる 定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます