フランシスコにこういった考え方を植えつけたひとりが、彼が17歳のときにブエノスアイレスで出会ったCarlos Duarte Ibarra神父だ。白血病で治療中のIbarra神父に告解をしているときに、「神の慈悲から歓迎されているのを感じた」と、フランシスコは語っている。
このエピソードを読むと、私たちの振る舞いの重要さがさらに身にしみてくる。
挫折や失敗をした人に石を投げつけるのか、余計な批判をせずに受け入れて話を聞くのか、という私たち大人の選択が、子どもたち、若者、そして社会全体に影響を与えるのだ。それに、より良い人生を生きるためには、自分のことを棚に上げて他人に石を投げるのを楽しむより、自分とは相容れない人の過ちすら「慈悲」の気持ちで受け入れ、寛容さがある世界を作ることに専念したほうがいい。
本書は繰り返しも多いし、まとまりもない。そもそもが、キリスト教徒に向けてのメッセージだ。しかし、そのメッセージから「神」という単語さえ取れば、私のように宗教を持たない者を含め、世界のどこで生きる人にも通じる内容になっている。