今日発売のニューズウィーク日本版7月20日号(表紙はポツンと小さくなった菅首相)に、ツイッター・ファン(そしてアンチ・フェースブック派)にはとても気になる記事が載っている。「創業者たちが逃げ出すツイッターの内実」だ。
この記事を読むまでは、正直言って創業者が4人いることさえ知らなかった。そのうち3人が、ツイッターの経営を投げ出そうとしているというのだから深刻だ。本誌テクノロジー担当のダニエル・ライオンズが、ライバルと比べた経営の実状や障害についてリポートしている。
それによれば、共同創業者の一人、ビズ・ストーンは、ツイッターを生んだ元の起業支援ビジネスに戻る。おそらく「連続起業魔」を目指しているのだろう、と英フィナンシャル・タイムズ紙などは書いている。また昨年10月には、グーグル出身のディック・コストロが共同創業者のエバン・ウィリアムスに代わってCEOの地位に就いている。報道によればこの人事は、ツイッター人気を金に、ユーザー増を収入に換えることに経営の舵を切るためのものだという。
一般のツイッター・ファンとしては複雑だ。利益を上げることより連続起業魔を目指すような創業者が経営していたからこそツイッターは自由だったのかもしれない。1年ほど前に使い始めてから、目立った新機能が追加されるわけでもなく、検索機能が強化されるわけでもなく、不便なものは不便なままだが、シンプルでオープンな使いやすさはずっと変わらなかった。
これが、ありとあらゆる方法でユーザーと自社サービスの間に割り込み、あれしろ、これしろと指図して(最近では「お友達のAさんはこの質問に答えました。答えを知りたければあなたも質問に答えましょう」という余計なお世話の「チェーンQ&A」)、広告主に売るユーザー情報をあの手この手で集めようとするフェースブックのようになってしまったら、いくら利益が上がるようになってもそれはもはやツイッターとは言えない気がする。
その辺は、実力派のライオンズがシリコンバレーでがっちり監視してくれるに違いない。
ライオンズは、かつて偽スティーブ・ジョブズとして書いたパロディ・ブログで一世を風靡し、フェースブックにはいち早く決別宣言をしたトレンドセッター。ツイッターの今後の成り行きも含めて、ニューズウィーク日本版でフォロー必至です。
──千葉香代子(本誌記者)