それに対して私はアメリカの例を挙げた。アメリカでは現状、リスクを起こす人たちと技術を開発する人たち、国を運営する人たちがつながっている。

この環境では日本が考える仕組みは無意味だ。世界のどこかでルールなき生成AIの開発がされれば、他国のルールは「イノベーションの障害」と言われてしまう。競争力を考えたら、そのルールを維持することは非常に難しい。

新しい技術で開発されたサービスやモノを「イノベーション」と呼びがちだが、倫理を無視したサービスやモノはむしろ退行ではないかと私は思う。技術の開発スピードが人間のリスク分析能力をはるかに超えているのが、今の時代の最大の問題だ。

magTokyoEye_Nishimura.jpg
西村カリン KARYN NISHIMURA 1970年フランス生まれ。パリ第8大学で学び、ラジオ局などを経て1997年に来日。AFP通信東京特派員となり、現在はフリージャーナリストとして活動。著書に『フランス人記者、日本の学校に驚く』など。Twitter:@karyn_nishi
ニューズウィーク日本版 台湾有事の新シナリオ
2026年4月21号(4月14日発売)は「台湾有事の新シナリオ」特集。

米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由

※バックナンバーが読み放題となる 定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます