しかし今回の尹大統領に対するデモを含めて最近では、MZ世代(80年代前半~2010年代前半生まれ)を中心に年齢問わず誰もが参加しやすいデモへと変わりつつある。特にMZ世代はデモの際にKポップを使ったり、みんなで歌いながら踊ったりして、まるでお祭り騒ぎ。自分の親や兄弟らを誘い、デモに参加する姿をSNSに拡散するなど、平和な雰囲気を大事にしながら自分の声を上げる1つのカルチャーをつくり上げているように見える。

もちろん一部では政治をエンターテイメントのように軽くみているのではないかという懸念もある。ただ若い世代が政治に興味を持ち、積極的に自分の意見を届けようとするのは決して悪いことではないはずだ。

若い世代の投票率が低い日本では、韓国の現状からヒントを得られるのではないだろうか。もちろん政治制度や歴史的背景が大きく異なり、日韓の政治事情は簡単に比較はできないかもしれない。それでも、若い世代が「政治を動かすのは国民一人一人であり、その1人が自分だ」ということをもっと意識できたらいいのにと思う。

思いには思いが重なり

 新しい風を吹かせば明日が動く

   ──カン・ハンナ

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ソウル出身。2011年に来日し、2020年に歌集『まだまだです』で現代短歌新人賞受賞。NHKラジオ「ステップアップハングル講座」に出演し、起業家としてコスメブランドも立ち上げた。著書に『コンテンツ・ボーダーレス』
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