「データ重視」という勘違い
しかしベゾスの計算が、全く別の性質のものだったら?
ベゾスは自らが立ち上げた宇宙事業や、アマゾンが提供するアマゾンウェブサービス(AWS)を通じて米政府と大規模な取引関係を持っている。しかも彼やイーロン・マスクなど超富裕層が所有する巨大企業は、多方面でさまざまな規制の対象となるリスクがある。
断定はできないにせよ、ポストの縮小は新聞事業そのものに基づく判断ではなく、トランプ時代において自らの事業利益を優先する判断だった可能性が極めて高い。
言い換えれば、ベゾスが公共心ある新聞発行人であり続けることで得られる名誉は、彼が築き上げた他の多くの事業にとっては、あまりに大きなリスクを伴ったのかもしれない。
世界屈指の富豪が所有する新聞でさえ政府との距離を保てなくなるのなら、それは他のメディアに対して何を示唆しているのか。
民主主義に重い代償を強いかねないほどの圧倒的な圧力にさらされている偉大な報道機関は、残念ながらポストだけではない。
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