賢明な権威主義は、統制と自由の微妙な調整に依存している。権力が揺らいでいると感じれば自由を抑え、成長とイノベーションを促したいときには緩める。
均衡を見誤れば、イランのレザー・パーレビ国王や元ソ連大統領のミハイル・ゴルバチョフの場合のように、体制が転覆することもある。一方で、韓国や台湾のように自由化へ移行した国もある。しかし賢明な権威主義体制の一部は長期にわたって権力を維持し、懐疑派の予想を裏切ってイノベーションを育てていく。
中国共産党が経済面の課題を乗り越えられるかどうかは、まだ分からない。だが賢明な権威主義という視点は、中国がどのようにして現在地にたどり着いたかを説明付ける。それは、多くのアナリストが到達不可能と見なしていた位置だ。

This article is adapted from Autocracy 2.0: How China’s Rise Reinvented Tyranny (Cornell University Press, 244 pp., $29.95, November 2025(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)
※この記事は後編です。前編「毛沢東への回帰? それとも進化? 終身支配へ突き進む習近平氏が恐れる『ソ連崩壊の悪夢』」はリンクからご覧ください。
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