中国経済全般で国の管理が拡大していることも、批判の対象になりがちだ。しかし、政府の関与がイノベーションを衰えさせるとは限らない。アメリカでもシリコンバレーの誕生や、重要な軍事技術の進歩には政府の支援が大きな役割を果たしたと、シドニー大学のリンダ・ワイス名誉教授は指摘する。

重要なのは介入の方法であり、それが健全なイノベーションのエコシステムを育てられるかどうかだ。

習の「独裁」が経済をつぶす?

ただ、中国では国有企業が依然として幅を利かせており、それがイノベーションを窒息させる恐れがあるのは確かだ。中国のイノベーションの大部分と、ハイテク輸出品のほぼ全ては民間企業が担っている。それなのに、国有企業は政府の補助金や融資の大部分を得ているほか、不公平な参入障壁によって民間企業との競争から守られている。こうした構造を改革しなければ、中国の技術競争力はダメージを受けるだろう。

権力が習に集中していることも、経済に悪影響を及ぼす恐れがある。「現体制は独裁に逆戻りしている」と、シャークは言う。習は、毛の死後に確立された集団指導体制を廃止したようにみえるというのだ。

その結果、能力ではなく忠誠心に基づき人材が登用されるようになれば、賢明な権威主義支配は成り立たなくなり、イノベーションと経済全般がダメージを受けるだろう。

自由主義の勝利宣言はまだ早い