母親からひどい虐待を受けて育った
「悩んでいるというか心配で。突然、夜中に『死にたい』と言って泣き出したり、うちは5階なんですけど、ベランダから飛び降りようとしたり。家を飛び出そうとする事もあるんです」
そして一番困るのは朝。
「時々不安定になって仕事を休む事があって、そういう日は『仕事に行かないで』と朝から泣くんです。でも、私もそう簡単には休めないので......。私が出勤すると、何度も電話とメールが来て『すぐ帰って来て』『死にたい』の繰り返しで......」(127〜128ページより)
心配なのでできるだけ早く帰るようにしているものの、仕事中も気になって仕方がないという。
結婚8年目で子どもはいない。その理由について義昭さんは「妻の状態を見る限り、子育ては無理だろうと思って」と話している。とはいえ、落ち着いているときの美香子さんは明るく人付き合いも上手。仕事でも活躍しながら、家事もきちんとこなしているというのだから、ますます謎は深まる。
しかし、美香子さんが母親からひどい虐待を受けて育ったことが原因だということが明らかになってくるのだ。
「母はとにかく気性が荒くて。小さい頃からずっと怖かったです」
「何をすると怒られたか覚えていますか?」
私が尋ねると、美香子さんはちょっと困ったような表情を浮かべ、
「覚えている事もありますけど、理由が全然分からなかった事もあります。母は私の事が可愛くなかったんだと思います」
誉められた記憶はほとんどなく、成績にもうるさかったし、習い事もたくさんやらされ、そのどれにも厳しかったとのこと。(130〜131ページより)