米国防総省と人工知能(AI)開発企業アンスロピックがAIの軍事利用を巡り対立していることが、事情に詳しい関係者3人の話で明らかになった。
政府が同社の技術を使って自動的に武器を標的にしたり国内の監視を実施したりできるよう、AIの利用に関するセーフガードを解除するかどうかが、争点になっているという。
米国の軍隊および情報機関によるAIの軍事利用に、シリコンバレー企業が影響力を行使できるかどうかが、試されている格好だ。
アンスロピックは昨年、国防総省から最大2億ドルの契約を獲得。事情に詳しい関係者6人の話では、両者はこの契約に基づき数週間にわたって協議したが、交渉は行き詰まった。同社のAIの利用方法を巡って対立が深まったという。
国防総省の当局者は、米国の法律を順守している限り、同省が商業用AI技術をAI企業の方針に関係なく活用することができると主張している。これは同省が1月9日付で出したAI戦略に関するメモに沿った主張だ。
アンスロピックは声明で、同社のAIは「米政府によって国家安全保障のために幅広く利用されており、当社はその作業を続ける方法を巡り国防総省と生産的な話し合いを行っている」と説明した。
国防総省は昨年、同省における先進的AIの導入を目的としてアンスロピックのほか、アルファベット傘下のグーグル、米実業家イーロン・マスク氏のxAI、オープンAIとの間で契約を結んだ。

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