何もしないことの罪悪感
こうした活動を理解したければアナの話を聞けと、みんなに勧められた。「隣人を助ける隣人たち」と称する活動を運営している女性だ。
アナの1日は2つのグーグルフォームで回っている。1つはボランティア向け、もう1つは支援を必要とする近隣住民向けだ。グッド殺害事件が起きるまでの問い合わせ件数は「平均すると1日3件から5件程度だった」と彼女は言う。「でも昨日の午後3時から今朝までには、51件も問い合わせがあった」
この活動は偶然に始まったとアナは言う。「最初はみんなでブレインストーミングをやるつもりで、それで私がグーグルフォームをつくり、ソーシャルメディアで共有した。そしたら一気に盛り上がって......」
ICEの監視や住民の相互扶助に参加する住民は今も増え続けている。
グッド殺害という惨劇が起きた後にも、ごく普通の人たちが続々とボランティアに加わっている。みんな、行動に伴うリスクより、何もしないでいることの罪悪感のほうが大きいと感じている。
取材の日、朝7時にカフェで会ったボランティア女性の言葉が思い出される。仕事に行く前のわずかな時間だが、毎日のようにICE監視の巡回に加わっていると彼女は言い、こう続けた。「もっと早く起きられたらいいと思う。朝6時に家を出られたら、もっと道路やバス停、学校周辺の監視に役立てるでしょ」
次のページ