ベネズエラ強襲は、トランプ政権にとって11月の中間選挙対策でもある。内政目標達成のためになりふり構わぬ対外手段が取られる「仁義なき世界」の現実に、一国の指導者として初めて直面した高市首相は、腹をくくって冒頭解散に舵を切った。韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領やイタリアのジョルジャ・メローニ首相の歓待厚遇を含めて、高市首相は既に米ロ・米中・米欧の3重冷戦時代を乗り切る戦略に基づいて行動しているようだ。

その対中強硬姿勢はどこから来たものか。教育勅語になじみのある家庭で育ち、もともと保守思想に対する親和性が高い高市首相だが、1993年に初当選を果たした後に強い関心を抱いていたのは「国家が納税者に対してどう責任を果たすか」や「世襲でない議員の機会平等」といった問題で、当初から反共思想に共鳴していたというわけではない。

むしろ、当選同期の安倍晋三元首相と歩みを同じくするにつれ、その影響で保守思想に磨きをかけ、中国の覇権追求に対する警戒心を強めていったとみることができる。政治家として自覚的に選択し発展させてきた対中スタンスは、強い論理的一貫性を持っている。批判に動じず信念を貫き、腹をくくった喧嘩(けんか)に最終的に勝ってきたのが高市首相だ。

「素志貫徹」と「喧嘩上等」