<今年のダボス会議で、専門家が口を揃えて危険性を示した「AMR」。新型コロナウイルスと重なれば「最悪の可能性」も──>

スイスで開かれたダボス会議で、抗菌薬耐性(AMR)が、将来的にがんよりも多くの命を奪う世界的脅威になりかねないとの警告が出された。専門家は、回避可能でありながら十分な関心が払われていない危機に、世界が向かいつつあると指摘する。

【関連記事】25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ」とは何か? 対策のカギは「航空機のトイレ」に

学術出版社フロンティアーズが運営する「フロンティアーズ・サイエンス・ハウス」で講演した、メルー研究所およびビオメリューの公衆衛生・政府渉外担当責任者であるバニナ・ローラン・ルドリュは、各国政府が行動を起こさなければ、AMRは次のパンデミックとなり、2050年までにがんを上回る死者数をもたらす可能性があると語っている。

「私は『公衆の不信によって引き起こされる次のパンデミック』を懸念している」とルドリュは述べる。

「それは、私たちの目の前にある新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と、抗菌薬耐性が重なり合った状況だ。基本的に、抗菌薬耐性、あるいは薬剤耐性感染症は、2050年までにがんよりも多くの命を奪う。ダボスでこの問題を誰かが議論しているだろうか。誰も話題にしていない」

ルドリュの発言に同調したのが、エイズ・結核・マラリア対策世界基金の事務局長であるピーター・サンズと、バイオテクノロジー企業「ファゴス」の共同創業者兼最高技術責任者であるアデル・ジェームズだ。

両氏は、行動と国際的な連携を求めるルドリュの訴えを強調し、世界の指導者の関心が別の問題に向けられている間にも、AMRが加速する可能性があると警告した。

「AIに使われるか、AIを従えるか」 一橋大学が問う、エージェント時代の「次世代エグゼクティブ」の条件
「AIに使われるか、AIを従えるか」 一橋大学が問う、エージェント時代の「次世代エグゼクティブ」の条件
「AMRは発生確率100%のパンデミック」