<AIと自動化が加速し、大企業だけが先を走る。中小企業と労働者が取り残される米国経済の歪みが、2025年の終わりに鮮明になった>

米国経済は2025年末、まるで「二つの国」のような様相を呈している。生産が急拡大する一方で、雇用は停滞している。この現象は一時的なものではなく、次にやってくる経済の形を示している──と経済学者は警告する。

米商務省が12月に発表した第3四半期のデータは、その「ねじれ現象」を端的に物語っている。経済成長率は年率換算で4.3%と、過去2年間で最速のペースを記録したが、月ごとの新規雇用数は平均5万1000人にとどまった。

◾️GDP成長率
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◾️失業率
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かつては同方向に動くと考えられていたこの2つの指標が、今や逆を向いている。ニューヨーク大学スターン経営大学院の経済学者ローレンス・ホワイトは、この乖離は「構造的な変化」だと指摘する。

「経済は、あまり人を雇わなくても拡大できる構造に移行している」と、ホワイトは本誌に語った。「いま我々が構築しているのは、雇用の伸びを上回るスピードで回るシステムだ。これは短期的な現象ではなく、長期的なシフトだ」

この変化は数字にも表れている。個人消費は3.5%増加し、成長の半分以上を占めたが、支出の多くは高所得層によるものだった。自動化や人工知能(AI)への投資も成長を大きく押し上げていると、コンサルティング会社RSMのチーフエコノミスト、ジョセフ・ブルセラスは分析する。

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国民不在の経済成長