BLコンテンツの本格的な取り締まりは04年頃に始まり、15年頃までは主にウェブ小説が対象だった。「反ポルノ」を名目に、当局によるトップダウンの規制と、それを受けたプラットフォーム側の自主検閲が並行して進んだ。

クリエーターたちは露骨な性描写を避けながら、同人誌やドラマ実写化などを通してBLの可能性を模索。だが16年から20年にかけて、こうした試みは相次ぐ検閲によって頓挫した。

中でも、17年末BL作家の天一と深海に有罪判決が出たことはクリエーターにもファンにも大きな衝撃を与えた。天一に科された懲役10年半の重罰は、法律が時代に対応していないのではと今も議論されている。

21年以降は政府系メディアが世論を動員し、とりわけBLドラマを批判する傾向が見られるようになった。未成熟な青少年には「有害」だという論調が強まり、21年には少なくとも10本のBLドラマが配信中止または撮影中止に追い込まれた。

25年現在、状況はさらに悪化している。5月には蘭州市警察が多数のBL作家を摘発したが、その多くは違法とされる収益額にすら達していないとされる。強引な取り締まりに世間は動揺し、地方財政の逼迫から罰金を目的とした摘発ではないかという見方も出た。

その標的はBL作家にとどまらず、海外と取引のあるあらゆる企業や個人に及んでいる。

それでも中国人が「母語のBL」を作り続ける理由