「どんどん消費を減退させてきた」
その結果、44万トンが不足し、スーパーの棚からコメがなくなる事態になった。
需要量が増えた要因として指摘されていることのひとつに、物価高騰でコメに値ごろ感が出たことがある。特にコムギの価格上昇に伴って麺やパンが値上がりするなか、価格の上昇幅が低いコメが例年よりも多く購入されたのだ。
加えて訪日外国人の増加も影響し、2024年8月には南海トラフ地震臨時情報が出されたことから備蓄用の買いだめも起きた。
これらからも分かるように、コメには需要を拡大できる余地があるはずだ。にもかかわらず、その可能性に思い至らない農林水産省が生産量を抑えつけ、可能性を潰しているのである。
この点に関し、惣菜と弁当の製造業者で構成する業界団体である日本惣菜協会の清水誠三専務理事はこう述べている。
「消費の多いところにコメを供給して米離れをなくし、生産量を増やしていこう。普通はこう考えるじゃないですか。それをまったく違うところに力を入れて、どんどん消費を減退させてきたというのが、今のコメ政策じゃないか」(63ページより)
確かに、そのとおりではないだろうか?
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[筆者]
印南敦史
1962年生まれ。東京都出身。作家、書評家。広告代理店勤務時代にライターとして活動開始。他に、ライフハッカー[日本版]、東洋経済オンライン、サライ.jpなどで連載を持つほか、「ダ・ヴィンチ」などにも寄稿。『遅読家のための読書術』(ダイヤモンド社)、『人と会っても疲れない コミュ障のための聴き方・話し方』(日本実業出版社)、『この世界の中心は、中央線なのかもしれない。』( 辰巳出版)など著作多数。2020年6月、日本一ネットにより「書評執筆本数日本一」に認定された。
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