ヨーロッパ諸国では、歳出削減策の一環としてベビーブーム世代の社会保障を縮小する計画が、軒並み撤回に追い込まれている。イギリスでは6月、キア・スターマー首相が与党内からも反発を受け、年金生活者に対する暖房費補助の打ち切りを断念した。これで推定14億ポンドの歳出削減が消えた格好だ。
しかしイギリスの年金生活者は、既にかなりしっかり守られている。毎年、物価上昇率か、平均賃金の上昇率か、2.5%のいずれか最も高い比率によって年金額が自動的に引き上げられるのだ。従って多くの年金生活者にとって、暖房費補助は、既に約束された年金増額分と比べるとごくわずかな金額だ。