「それは『日常から外れた出来事』を意味しています。たとえば、心的外傷後ストレス障害(PTSD)や急性ストレス障害は、非日常的な出来事を経験したことで発症します。
片頭痛も、そこまで極端でなくとも、通常の行動パターンが乱されるような予想外の出来事に反応していると思われます」
研究チームは、こうした日々の予測不能性を数値化するサプライザル・スコアを「短期的な片頭痛リスクを評価できる、動的かつ個別化された指標」としての有用性を裏付けるとともに、「不確実性と[特定の状況で認知、行動、意思決定などが影響を受ける]状況依存性を考慮した手法」として提案する。
この新たな手法を予測分析ツールに導入すれば、頭痛リスクをより効果的かつ個別に管理できる可能性がある。
「私たちの体は常にホメオスターシス(生体恒常性)を保とうとしています。食事、睡眠、水分摂取のいずれかが崩れると、その警告として片頭痛が発生するケースがあります(...)
原因を特定できる人は片頭痛患者のうち約70%です。残りの約30%は、そもそも原因の有無にすら気づかないケースもあります。だからこそ、日々の行動パターンに注意を払うことが発症メカニズムの理解につながることになるのです」(ローゼン医師)
こうした「いつもと違うこと」には、良い知らせや悪いニュース、喧嘩、仕事や学校でのルーティンの変化など、日常生活におけるあらゆる出来事が含まれる。
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