米下院議員で「米中経済安全保障調査委員会」共同議長を務めるクリス・スミスは、「米国と共産中国が技術覇権を巡って競り合うこの決定的な局面において、台湾による米国技術への多額の投資は極めて重要だ」との声明を発表した。
だが、米外交問題評議会(CFR)でアジア研究を担当するデビッド・サックスは、台湾側の不安についてこう本誌に説明した。「対米貿易を強化する一方で、米国の最終的な意図には不安がある。半導体の国産化に成功すれば、もはや台湾の安全保障に関心を持たなくなり、中国の侵攻からも守ってくれなくなるかもしれないと感じている」と分析した。
中国は台湾を自国の領土と主張し、必要とあらば武力で統一を図ると宣言している。一方、米国は台湾を主権国家とは正式に認めていないものの、最大の武器供給国であり、「戦略的曖昧戦略」と呼ばれる対台防衛政策で中国の行動を抑止してきた。
だが近年の台湾では米国の信頼性に対する疑念が強まっている。背景には、ドナルド・トランプ米国大統領の一連の発言がある。トランプは、台湾が米国の半導体産業を「盗んだ」と主張し、台湾が中国からの「保護料」を払うべきだとも述べた。
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