だから、である。だからこそ、ヨーロッパは、いや国際社会は、難民の受け入れを止めてはならない。難民問題を解決するためにさらなる戦争を声高に叫ぶ人たちが、難民たちを自分たちの都合のいい形で将来の戦士予備軍に育て上げないように、国際社会がきちんと引き取らなければならない。力づくでしか自分たちの正義を通すことができないと、頭に血が上っている域内大国同士がヒートアップしているところで、命が危機に晒されている人々を彼らの代理戦争から守るためには、「戦争をしなくても安全は得られる」と説得できる外交努力が必要である。

 その外交こそ、武器を持たずして国際的に平和貢献してきたと自負する者がなすべきことである。それはどこにいるのか。それはここ日本にあるはずなのだが、それがもし近い将来失われてしまうとすれば、紛争予防のための大きな手段を国際社会は失うことになる。