こうした企業は例外なのか。他の大企業とは社風が少し違うのか。それはまだ分からない。だが結局は、企業幹部にとってのインセンティブが変わらない限り、不安は残る。

上場企業のCEOが「在庫を増やしたい」「中国など当社の既存の生産拠点より多少コストが高くても、別の場所に工場を建てたい。そうすれば次に何かあったときの備えになる」と発言したら、次の四半期収益に悪影響が生じ、CEOはクビになるだろう。

一方、「在庫をぎりぎりまで切り詰める。在庫に金をかける気はない。工場の新設や資源の分散などコストのかかることはしない。増益・増配で株主を満足させ、自社株を買い戻せば、株価が上がる」と言えば、CEOの報酬はアップし、地位も安泰だ。

そうした資本主義の構造的インセンティブの改革に取り組まない限り、次なるショックのリスクは確実にある。

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