一方、中国企業にとっては、湾岸諸国におけるEV需要と、それに関連した製造インフラ需要の拡大は願ってもない商機だ。国内で競争が激化するなか、湾岸諸国は眼前に広がるブルー・オーシャンのようなもの。そこへの船出は世界市場の制覇を目指す中国政府の思惑とも合致する。

中国企業は既に太陽光や風力などの再生可能エネルギー開発で湾岸諸国と提携している。EV産業での提携はそれを補い、広げる動きで、エネルギー分野で新たなパートナーシップが生まれることになる。エネルギー分野で築かれた関係は技術、金融、農業、観光、不動産など多様な産業部門での提携につながるだろう。

それにより中国と湾岸諸国の経済的な結び付きは大幅に拡大・深化するはずだ。経済的な相互依存の深まりは、地域の戦略的な力関係にも影響を及ぼし、この地域におけるアメリカなど他の主要プレーヤーの影響力が弱まりかねない。湾岸諸国のエネルギー政策、さらには外交政策にも、中国がより顕著な影響を及ぼすことを覚悟しなければならない。

From thediplomat.com

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