日本ではちゃんとした議論さえ始まっていない。その原因は、議論をしたくない自民党にある。というより、終わりのない中途半端な議論をずっとしていることにあるだろう。同性婚を認める法案が提出された上での議論ではなく、何となく意見交換をしているだけの議論が続いている。
そんななか首相は、同性婚を可能にすれば「社会が変わってしまう」と答弁した。炎上したために本人はその後、ネガティブな意味はなかったと強調したが、説得力の乏しい説明だ。「変わってしまう」には困るというニュアンスがあって、それがまさに自民党の本音だと思う。
「社会が変わらない」ことを目的にするなら、日本の国民のために尽くしているとは言えないし、男女平等を目指しているとも言えない。誰もが同じ機会を得て、差別や暴力から保護されることに全面的に取り組むことも不可能だ。
西村カリンKARYN NISHIMURA
1970年フランス生まれ。パリ第8大学で学び、ラジオ局などを経て1997年に来日。AFP通信東京特派員となり、現在はフリージャーナリストとして活動。著書に『不便でも気にしないフランス人、便利なのに不安な日本人』など。Twitter:@karyn_nishi
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