確かに今の自動車用バッテリーは多くの問題を抱えているが、圧倒的な性能を持つバッテリーが世に出てきたとしても、それだけでEVがすんなり普及することはあり得ない。思ってもないところから出てくる問題が必ずあるからだ。

実際にEVをたくさん作って、売って、社会実装を進めていかなければ、問題がどこにあるのかは分からない。つまりはEV普及が遅れている日本が、新技術導入で一気に大逆転というのは相当に難しい話なのではないか。

――と、「全固体電池で日本大勝利」の動画を見るたびに不安に感じている。

[執筆]

高口康太(たかぐち・こうた)

ジャーナリスト、千葉大学客員准教授。1976年生まれ。千葉大学人文社会科学研究科(博士課程)単位取得退学。著書に『幸福な監視国家・中国』(共著、NHK出版新書)、『プロトタイプシティ』(共著、KADOKAWA、2021年大平正芳記念賞特別賞受賞)、『中国「コロナ封じ」の虚実』、『中国S級B級論――発展途上と最先端が混在する国』(編著、さくら舎)、『現代中国経営者列伝』(星海社新書)など。

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