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プラボウォとギブランのイラストを掲げる若い有権者 KIM KYUNG-HOONーREUTERS/AFLO

ソーシャルメディアでは、プラボウォがぎこちなく踊ったり、ネコをなでたりする画像や、ピクサー映画に出てくるようなソフトなおじさんのイラストが大量に拡散された。

これが過去を知らない若い有権者に大いにウケた。

14日にジャカルタのスタジアムに来ていた理系の大学生ファウザン・ディスマスも、プラボウォは「タフ」だから好きだと語った。

過去の人権侵害やスハルトとの関係について聞いても、「生まれる前のことだからよく知らない」と言葉を濁すだけだった。

では、インドネシアではこれから何が起きるのか。

国際的には、中立を守る伝統的な外交姿勢に大きな変化はないだろう。

だが、内政面では、民主主義が衰退している懸念のほか、プラボウォとジョコの同盟がいつまで続くかという不安もある。

選挙期間中こそインフラ整備や天然資源の輸出制限、そして首都移転計画の維持など、ジョコ路線の踏襲を声高に約束したプラボウォだが、基本的に移り気なことで知られる。

しかも、何十年にもわたり権力を握る強い野心を持ち続け、何度選挙に負けても挑戦を続けてきた。

そんな男が、いつまでも前任者の陰に隠れていることに満足するだろうか。

高齢のプラボウォには、健康不安説もある。

万が一のことがあったら、ビジネスでまあまあの成功を収めた経験はあるが、政治的には何もかもお膳立てされた仕事しかしたことのない若者の手に、人口が世界第3位の民主主義国の運命が託されることになる。

プラボウォとジョコの息子のどちらの政治のほうが不安が大きいか、インドネシアのベテラン官僚たちも考えあぐねているようだ。

From Foreign Policy Magazine

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