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大谷歓迎ムードのドジャー・スタジアム(ロサンゼルス、23年12月14日) KIRBY LEEーUSA TODAY SPORTSーREUTERS

これまでの記録はボビー・ボニーヤ(元ニューヨーク・メッツ)の悪名高い契約で、後払い率50%。

しかも、この契約には株式市場の年平均リターンを上回る8%の利息の支払いが含まれていたようだ。大谷の後払い分6億8000万ドルには、物価上昇に連動する利息払いは含まれていない。

「敗者」になりかけた大谷

このような形で満足感(報酬)を先延ばしにするのは人間の本性に反する。大谷はなぜ型破りな選択をしたのか。

「ショータイム」の主人公には遺産に対する天才的臭覚がある。歴史に名を残す同時代のライバルたち(ジョーダン、メッシ、米プロフットボールリーグNFLのトム・ブレイディ)を研究したであろう大谷は知っている。

どんなに人気者だとしても、どれだけ記録を塗り替えても、どれほど金を稼ごうと、最終的な判断基準は「優勝した回数」だということを。

大谷は過去6年間、ワールドシリーズ優勝どころかプレーオフに出場した経験すらない。

乱暴な言い方だが、輝かしいキャリアの後半に突入した今、敗者の烙印を押されかけている。だからこそ、レジェンドらしい行動、つまり勝利を追い求めてなりふり構わず動いたのだ。

大谷はドジャースで17番目の高年俸選手にすぎない。つまり、それ以上の高給取りがベンチに何人もいる。年俸自体は10年以上も前に引退した選手(ケン・グリフィーJrやマニー・ラミレスなど)よりも少ないはずだ。

この「野球の神様」は、加入したチームが圧倒的な最強ラインアップを金で買えるように精いっぱい配慮した。

今回の契約条件で大谷を獲得できたおかげで、ドジャースは殿堂入りクラスの選手をさらに2人補強でき、リーグでベスト10に入る選手を6人まで増やすことが可能になった。

大谷は単なる野球の天才ではなく、鋭い金銭感覚の持ち主でもある。

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「神」への逆張りは禁物
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