航空産業を維持するために、ロシアはそのほかの制裁を迂回し、欧米製の交換部品や機材の代替品を調達する方法も模索している。

ロシアのビタリー・サベリエフ運輸相によれば、ロシアは2022年2月以降、欧米の制裁措置により旅客機76機を失ったという。

12月も、最初の8日間で早くも8件の航空機トラブルが報告されている。12月8日には、ロシア南部シベリアのノボシビルスクでボーイング737型機がエンジントラブルのため緊急着陸した。ロシアのテレグラムチャンネル「Baza」は、乗客・乗員あわせて176人に怪我はなかったと報告している。

この前日にはロシア連邦を構成するブリャート共和国の首都ウラン・ウデから離陸したロシア機のエンジンが火を噴く事故が発生。ブリャート共和国のアレクセイ・ツィデノフ首長は、中国・福建省の章州に向かっていたツボレフTU204貨物機について、自身のテレグラムチャンネルで「その後着陸し、怪我人はなかった」と述べた。

ツィデノフによれば、ロシアの航空会社「アビアスタル-TU」が保有する同貨物機は、ウラン・ウデにあるバイカル国際空港から離陸した際にエンジンから出火した。同機は安全に着陸し、乗員5人に怪我はなかったということだ。

保守点検用資材が調達できない

6日にはロシア西部のカザン発モスクワ行きの旅客機がエンジンの故障によりモスクワのシェレメチェボ空港に緊急着陸。1日と2日には、メンテナンスの不備から航空機5機が故障した。

ロシア乗客連合のキリル・ヤンコフ代表は、ロシアのウェブサイト「74.RU」に対して、民間航空機のトラブルが増えている背景には、交換部品の不足と保守点検の問題があると述べた。

ヤンコフは「以前と比べて、多くの航空機の交換部品や保守点検用資材を入手するのが困難になっている。そのため、メーカーの認定を受けていない交換部品が一部の航空機に使われ始めている」と述べた。「航空機の墜落事例はまだ増えていない。だが犠牲者を出さない事故の数は顕著に増えている」

欧米の制裁のせいで空の旅の安全性が脅かされている、とヤンコフは言った。

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