柯と民衆党は、中台関係の議論には加わらないと主張しながらも、現状維持を繰り返し表明している。「一つの中国」の原則を口頭で認め合ったとされる「92年コンセンサス(九二共識)」は、国民党の対中政策の柱でもある。これについて質問された柯は、その呼び方は台湾では受け入れられないから、中国政府も変えるべきだと答えた。

もっとも、対中国に関して柯の見解は一貫していない。例えば、ひまわり運動が反対した中台の経済協力枠組み協定(ECFA)の修正や、台湾の離島である金門島と中国本土の間に橋を架けることを提案している。

柯は他の総統選候補と違って、多くの若者から強い支持を得ているとみられる。この点は、台湾の若い世代が自分たちは中国人ではなく台湾人であるというアイデンティティーを強めていることと、相反するようにも思える。柯の一見ユニークな魅力は「柯モデル」とも呼ばれるが、ポピュリズムにすぎないという批判もある。

柯の「緑色」から「青色」への転換は、多くの有権者に衝撃を与えた。現在の支持基盤は、二大政党を嫌う台湾人や、政治家らしくない個性に魅力を感じる若者、国民党の支持層だが現在の党に不満をくすぶらせる有権者が混在している。

ひまわり運動で反国民党・反馬総統のデモに参加した柯は、国民党からの総統選出馬を目指して壇上で馬と並んだこともある。その長くユニークな道のりは、来る総統選を興味深いものにしている。

From thediplomat.com

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