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ネタニヤフ首相(左)を抱擁するバイデン大統領 EVELYN HOCKSTEINーREUTERS

ネタニヤフとその戦時内閣の閣僚たちには、別の無言の圧力もあった。

1948年の建国以来、イスラエルは一貫してアメリカの政治的・軍事的な支持と支援を当てにしてきた。そのためのロビー活動もしてきたし、アメリカ人の側にも、中東で唯一の民主主義国家と仲良くするのは当然という風潮があった。

だが近年、そこに不吉な変化が起きていた。ネタニヤフが極端に右傾化し、ユダヤ教保守派の勢力に擦り寄るのを見て、リベラルで世俗的なユダヤ系アメリカ人の多くが反発を強めていた。

今回の場合、当初はイスラエルに批判的な人々の間でもイスラエル擁護の声が上がった。しかし空爆の激しさ、増え続ける民間人の犠牲、停戦に応じないネタニヤフのかたくなな態度を見るにつけ、伝統的なイスラエル支持者の間にも不満と怒りが蓄積していた。

アメリカ議会でも、イスラエル支援の継続には停戦か、ガザへの人道支援物資搬入の解禁、またはその両方が必要とする法案への支持が高まっていた。

親パレスチナが多数派に

地上侵攻に先立ち、イスラエル軍はガザの住民に南部への退避を命じていたが、今となってネタニヤフはその南部へも戦闘を拡大しようとしている。これではもう支持できないと、バイデン政権の高官は警告している。

バイデン自身も、ヨルダン川西岸でパレスチナ人を殺害し、彼らの土地を奪っているユダヤ人入植者に対する制裁措置を準備するよう指示している(イスラエル政府はこうした入植者の横暴を取り締まろうとしていない)。

さらに、CNNの直近の世論調査によれば、民主党支持者の間でもパレスチナ側に同情する人(39%)が初めてイスラエル支持(35%)を上回った。10月7日の直後にはイスラエル支持が48%で、パレスチナ側に同情する人は22%にすぎなかった。

35歳以下の民主党支持者では差がさらに大きい。74%がパレスチナ側を支持し、イスラエル支持はわずか16%。65歳以上の高齢者でも、イスラエルに同情的な人は半数以下の45%で、4分の1はパレスチナ支持に傾いている。

アメリカでパレスチナ支持の機運が高まることで危うくなるのは、米議会でほぼ盤石の支持を得てきたイスラエルの立場だけではない。

和解を実現する難しさ