北朝鮮は22日、偵察衛星の打ち上げに成功したと発表した。北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)が報じた。

報道によると、金正恩朝鮮労働党総書記が21日夜に打ち上げを監督。さらに、韓国などに対する監視能力を確保し続けるため、近い将来に複数の偵察衛星を打ち上げると言明した。

KCNAは「偵察衛星の打ち上げは自衛能力強化に向けた(北朝鮮の)正当な権利」とし、敵の「危険な軍事行動」に備えた軍の準備態勢の強化に寄与するとした。

日本の防衛省は「衛星」について、現時点で地球周回軌道への投入は確認されていないとしている。岸田文雄首相は官邸で記者団に対し、衛星打ち上げが目的だとしても国連の安保理決議違反だと指摘。「北朝鮮にすでに厳重に抗議をし、最も強い口調で非難した」と述べた。

米ホワイトハウスも強く非難し、国家安全保障会議(NSC)報道官は「複数の国連安全保障理事会決議に対する明白な違反であり、緊張を高め、地域内外の安全保障情勢を不安定化させる危険がある」とした。

韓国当局者は、北朝鮮とロシアの軍事協力拡大の一環として、今回の打ち上げにロシアからの技術支援があった公算が大きいという認識を示している。

アナリストの間からは、衛星システムがたとえ高度でなかったとしても、北朝鮮に日本や韓国、米国を遠隔で監視する能力を与える恐れがあるという指摘も聞かれた。

韓国は南北軍事同意の停止を表明

朝鮮が偵察衛星の打ち上げに成功したと発表したことを受け、韓国は緊張緩和に向けた2018年の南北合意の一部を停止する。韓悳洙首相が22日、南北軍事合意を一部停止する方針を表明した。聯合ニュースが報じた。

報道によると、これにより軍事境界線周辺地域での北朝鮮に対する偵察・監視活動が再開されるという。

[ロイター]
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