リベラルで平等主義的な価値観の擁護者を自任する欧米の政府高官は、一部の人々の命にほかの人々の命より大きな価値を置いていると指摘されれば、間違いなく憤慨するだろう。

しかし、そうでも考えなければ、欧米の態度は理解できない。彼らはイスラエルが飢餓を武器として利用することに無関心で、500人の子供が爆撃の「巻き添え」で殺されることを容認している。

イスラエルは16年間にわたりガザ地区を封鎖しており、国連によれば既に「居住不可能」な状態だ。さらには、首を切り落とされた赤ん坊や集団レイプといった扇動的で虚偽の主張が、西側の政府高官やメディアによって無批判に流布されている。

思いやりと共感は、ゼロサムの類いではない。パレスチナ人の命、苦しみ、人間性を軽んじることなく、同時に、残忍な攻撃で死傷した何百人ものイスラエル人を哀悼することはできる。パレスチナ人を人間として扱わなければ、いかなる現実的な解決も不可能だ。

(筆者はワシントンの中東研究所でパレスチナ・イスラエル情勢プログラムのディレクターを務める)

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