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中国からの借金を返せなくなり、99年間リースすることになったスリランカのハンバントタ港 AP/AFLO

グリーン投資の危うさ

このため現在の中国は、新規融資に慎重になっていると専門家は指摘する。「当初の一帯一路は、公的なインフラ整備事業が中心だった」とネドピルワンは言う。だが今は、「多くの意味で、民間(商業)志向になっている」。

この一帯一路の軌道修正は、習の講演における「小さくても美しい」プロジェクトを推進するという発言に表れている。今後は量より質を重視するというわけだ。

習は今回、一帯一路におけるもう1つの軌道修正も明確にした。より環境に優しいプロジェクトを重視する方針だ。

当初の一帯一路プロジェクトはエネルギー、とりわけ石炭火力発電所の建設計画が多く含まれていた。気候変動への影響を指摘する声があっても、中国は石炭を多用する自らの成長モデルを途上国に輸出し続けてきた。

ところが習は、21年の国連総会で石炭火力発電所の新規建設を他国で行わない意向を示し、「途上国における環境に優しい低炭素エネルギーの開発支援を強化する」と宣言した。

実際、今年1~6月期のエネルギー分野における一帯一路プロジェクトは、風力発電施設と太陽光発電関連の建設計画が41%を占めた。

とはいえ、その成功は容易ではない。世界資源研究所のリウ・シュアン中国金融部長は、中国が諸外国や金融機関と連携して、グリーンプロジェクトへの投資リスクを最小限に抑えるとともに、必要な専門的技術の支援もしていく必要があると指摘する。

国内経済の不振が伝えられるなか、途上国への莫大な投資(しかもグリーン投資)を維持していけるのかという問題もある。「経済発展の先頭に立つ国々は、まだ追い付いていないパートナーに手を差し伸べるべきだ」と、習は18日の講演で語った。

このメッセージは、この10年間に中国が友好国を獲得して、世界に影響を与える存在になるのに役立った。その懐の深さが、あと10年続くかどうかは、また別の問題だ。

From Foreign Policy Magazine

【動画】「第3回一帯一路フォーラム」の様子
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