自然森林研究所(本部ブリュッセル)のヨアヒム・メルゲイのみるところ、オオカミをめぐる議論はおなじみの「農村対都市」という対立軸に沿ったものだが、それ以上に保守派が恐れる「変化」の脅威を象徴している。オオカミに命を奪われる家畜は、落雷や病気で死ぬ数より少ないと、彼は指摘する。
「ここにオオカミが『政治的』だという理由がある」と、メルゲイは言う。「農民や猟師など農村部の人々は、自らの影響力が失われていると感じている。オオカミは、そんな彼らが欲求不満をぶつける象徴的な存在になった」
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