中国が今年3月、意表を突いてサウジアラビアとイランの外交関係正常化を仲介したことは、中東外交の重鎮として振る舞いたい中国の意欲を示すものだった。しかし、イスラエルとイスラム組織ハマスの紛争発生によって、その野心の限界が露呈しかねない状況となっている。

サウジとイランの合意後、中国メディアは、米国が長年支配していた中東外交において、中国の存在感が高まったと自画自賛した。

外交トップである王毅共産党政治局員兼外相は、世界的な「ホットスポット問題」の処理において、中国が建設的な役割を果たし続けると述べた。

だが、ハマスによるイスラエルへの組織的攻撃後、中国の反応は鈍かった。

外務省の報道官は、何度もハマスへの非難を避けた。代わりに呼びかけたのは、エスカレートを抑え、イスラエルとパレスチナがパレスチナ独立のための「2国家解決」を追求することだった。習近平国家主席は、この問題について沈黙を守っている。

オランダのフローニンゲン大学の助教授で、中国と中東関係の専門家であるビル・フィゲロア氏は、中国の対応について「中国がこの種の中東問題における巨大な立役者である、というプロパガンダに穴を開けるのは間違いない」と述べた。

中国が中立を保っていることを、アメリカやイスラエルの政府関係者は批判している。中東における公平な和平の仲介者だ、という北京の主張が揺らいだとの声もある。

アナリストによると、中国の対応は驚くに当たらない。中国の外交政策は長年、リスク回避的であり、イスラエルとハマスの対立激化は中国の外交担当者らを窮地に追い込んでいる。中国は歴史的にパレスチナ、そしてパレスチナの米国に対する敵対姿勢を支援してきたからだ。

中国外務省の汪文斌報道官は10日に「中国は、パレスチナとイスラエルの紛争がエスカレートし続けていることに強い懸念を抱いており、すべての関係当事者に即時停戦、戦闘中止を強く求めている。中国はすべての当事者と意思疎通を保ち、中東の平和と安定のために絶え間なく努力するつもりだ」と述べた。

不干渉政策の制約

中国が3年近く続けたゼロコロナ政策を終了して以来、習近平氏は米国とその同盟国に対抗すべく外交攻勢をかけた。

新興5カ国(BRICS)などの非欧米主導の多国間グループと連携を深める一方、ウクライナに侵攻したロシアとの関係を緊密にし、中東やグローバルサウス諸国との関係を強化している。

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