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9月7日にジャニーズ事務所が行った記者会見には多くの報道陣が詰めかけた KIM KYUNG-HOONーREUTERS

私も全く同感だ。そして、この点は日本のメディア全般の問題点を象徴しているように思える。

この業界幹部は、国際NGO「国境なき記者団」の2022年版「報道の自由度ランキング」で日本が71位だった(23年は68位)ことにショックを受けたと述べたが、私に言わせれば71位でも高すぎるくらいだ。

「なぜメディアが沈黙していたのか、誰の命令で沈黙していたのかについて、政府が調査すべきだ」と、ある音楽業界幹部は言う。この人物は、権力層が共謀して、力のある人たちが守られるようにしているのではないかと示唆する。

この音楽業界幹部は、喜多川の問題とは別に、性的暴行事件の刑事捜査が中止されたケースがあったことに言及した。例えば、週刊新潮の報道によると、ジャーナリストである伊藤詩織に対する性的暴行事件の捜査は、中村格警視庁刑事部長(当時)の指示によって打ち切られた。

過ちを繰り返さないため

日本では最近、性犯罪に対する罰則が厳格化されたが、それで十分かは疑わしい。

ここで私が提案したいのは、性的虐待、レイプ、パワハラなどの被害申し立てについて調べる独立機関を設けることだ。この機関の監督と運営は、人権活動家や研究者など、警察と結び付きのない人物に担わせる必要がある。

最後に、ジャニーズ事務所の今後に触れておこう。藤島が社長を辞任しただけでは、とうてい不十分だ。喜多川と同族関係にある人物は会社の株式を保有すべきでない。藤島は株式を全て売却して、その売却益を被害者への補償と、前述の独立機関の設置資金に充てるべきだ。

事務所の幹部だった人物は、ひとり残らず辞めさせなくてはならない。また、幹部たちは全員、隠蔽の実態を明らかにするために、メディアの取材を受けるべきだ。

適任ではない
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