しかし見方を幅広く変えてみると、エルドアンは以前よりもはるかにイデオロギー色の薄い実利的な外交政策を採用している。今ではサウジアラビアやアラブ首長国連邦との和解を推し進め、ロシアの仲介によってシリアとの和解に向けた取り組みにも着手している。

ウクライナに関する外交政策もお見事だ。エルドアンはNATO加盟国としての義務を果たす形でウクライナへの支持を表明し、軍事支援も提供した。一方でロシアの機関や個人が、西側による制裁を回避するためにトルコを利用することも許してきた。

西側はエルドアンの巧妙な外交戦略に慣れるべきだ。世界の勢力地図が塗り替えられようとするなか、アメリカの同盟国ではサウジアラビアやインドなどがトルコと同じく、相対する利益をもたらす国の間でうまく立ち回る道を選ぼうとしている。

ブリンケン米国務長官はトルコを「難しい同盟国」と表現したが、まさにそのとおり。エルドアンは確かに難しい同盟相手であり、3期目もその外交姿勢が変わることはなさそうだ。

©Project Syndicate

230613p15NW_Shlomo_Ben_Ami130SQ.jpgシュロモ・ベンアミ

SHLOMO BEN-AMI

イスラエル元外相。世界各地の紛争解決を目指す「トレド国際平和センター」副所長。著書に『戦争の痕、平和の傷──イスラエルとアラブの悲劇』がある。
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