韓国は、同国史上最大となるポーランドとの137億ドル(約2兆円)の武器契約を活用し、巨大軍産複合体の基礎を築こうとしている。両国の軍需企業が期待するのは、遠い将来にわたって欧州の武器需要を満たすことだ。

韓国の国防省によると、同国の昨年の武器売却額は前年の72億5000万ドルから170億ドル以上に急増した。昨年は西側諸国がウクライナへの武器供与に奔走し、北朝鮮や南シナ海などでも緊張が高まったという背景がある。

韓国、りゅう弾砲シェアが68%に

北大西洋条約機構(NATO)の主要メンバーであるポーランドとの昨年の武器取引には、多連装ロケット砲「チョンム(Chunmoo)」、K2戦車、K9自走榴(りゅう)弾砲、FA―50戦闘機など併せて数百基・両が含まれていた。その金額と数は、世界屈指の防衛産業の中でも際立っていた。

韓国とポーランドの当局者らは、両国の提携はウクライナ戦争後も欧州の武器市場を制覇することにつながると言う。韓国が高品質の武器を他国より迅速に提供し、ポーランドが製造能力と欧州への販売パイプを提供する形だ。

ロイターは、この取引に直接関与した人々を含む企業幹部と政府関係者13人に話を聞いた。両国の提携は、国際的な官民パートナーシップとコンソーシアムを利用して韓国の輸出市場を広げ、世界屈指の武器供給国になる野望に向けた青写真になる、と関係者らは語った。

ポーランドとの取引に関わった韓国航空宇宙大手ハンファ・エアロスペースのオ・カイワン取締役は「チェコ、ルーマニア、スロバキア、フィンランド、エストニア、ラトビア、リトアニアなどは、防衛装備品を欧州だけから購入しようと考えていたが、今では韓国企業から低価格で購入でき、迅速に納入してもらえることが周知されている」と述べた。

韓国企業は、武器の単価を公表していない。

NHリサーチ&セキュリティーズの調査によると、ハンファ・エアロスペースは既に世界の榴弾砲市場で55%のシェアを握っており、ポーランドとの取引でこれが68%に拡大すると推計される。

ポーランド国営軍需グループPGZの輸出プロジェクト室長であるルカシュ・コモレク氏は、今回の提携によって韓国とポーランドの企業はコンソーシアムを組み、兵器の製造、戦闘機の保守、そして最終的に他の欧州諸国へ供給するための枠組みができると語った。

両国の関係者によれば、提携内容にはポーランドで韓国の武器をライセンス生産することも含まれる見通し。計画では、2026年から戦車820両のうち500両、榴弾砲672両のうち300両をポーランドの工場で製造する予定だ。

「われわれは、単に下請け、技術移転業者、購入元としての役割を果たすことを望んでいるのではない。シナジーを生み出すとともに、欧州市場を制覇するため、わが社の経験を生かすことができる」とコモレク氏は述べた。

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